ご無沙汰しております、ルナ・ソレイユです。
今年もきらファン周年イベントの時期がやってきました!
本日から3周年当日まで毎日1話ずつ投稿…していきたいですね……(実際にできるとは言っていない)
注意事項
・なるべく全キャラ出すよう努力()しますが、キャラクター間に優遇/不遇が出てしまっております。
・去年よりもさらに内容がありません。
・毎日0時〜1時頃に投稿したいですが、寝落ちすると翌朝になります。ちなみにきららジオ極は2回しか最後まで聞けておりません。
…というテンプレを用意していたのに気がついたら朝になっていました。
〜が文字化けしちゃってますね…
では投稿させて頂きます。
第1話 今年もこの季節がやってきた!
ある日。
女神ソラは溜まっていた仕事を真面目に片付けて…
「アルシーヴ、休みって必要だと思うの。」
はいなかった。アルシーヴはため息を一つ。
「では、その山を一つ終わらせたら10分休憩を入れましょう。」
「むぅー!アルシーヴのいじわる!10分しか休みがないのも文句言いたいけど違うの!休日が欲しいの!」
「ふむ。先週3日も仕事中に抜け出して里に行っていなければ今日は休日だったかもしれませんが。」
「うぐっ…それは…。」
そこでソラの脳裏に一つの案が浮かぶ。
「そうだわ!きららちゃんがこの前言っていたの。もうすぐクリエメイトの記念日だって。だから、その日に催し物をやらない?」
「確かに、それは何かやらなければいけません。七賢者との会議に発案してみましょう。…では仕事に戻りましょうか。」
この後アルシーヴと案の出し合いをし、仕事をサボるというソラの目論見はあっさりと崩壊したのであった。
* * *
「…というわけで、アルシーヴ様からの指示でクリエメイトの記念日に行う催し物の企画をすることになりました。…大方、ソラ様がなにか言ったのでしょうが…」
セサミが部屋を見回しながら言う。
集まっているのは七賢者の面々。先日も定例会議で集まったばかりだが、今回は緊急会議という名目になっている。
「…催し物って言っても色々あるけれど、どういう方向性で行こうか。」
「やっぱり、クリエメイトといったら金髪じゃないか?」
「ジンジャーは黙ってくださいまし。…やはり、アルシーヴ様の…」
「えー、そんなものよりおかしパーティにしようよ!」
「シュガーは甘すぎるのです…」
口々に各々の案を出す七賢者たちにセサミは少し呆れ顔になる。
「昨年復興の為行われた催し。その再度の開催を提案。」
そこにまともな提案が紛れ込む。声の主は、
「ハッカ…貴方から提案とは珍しいですわね…!」
「ですが…とても良い案です。そちらの方向で考えてみましょう。」
室内にいる全員が肯定の意を示す。
細かい部分を詰めるため、各々の案が盛んに飛び出す。ホワイトボードが埋まったところで、セサミが締めに入る。
「これらは一度まとめさせて頂いて後日資料として各人に配布いたします。それではかいさ…」
議事録を整えながらセサミが言い終えようとしたところで扉が勢いよく開く。
「いましたー!ジンジャー、課題を提出しに…あれ?か、会議中…失礼しました…って今年もお祭りやるんですね!これは放送しなければ!フルーツタルトの皆さんにもお教えしなくては…あ、課題ここに置いておきますね!それでは!」
ばたん、と音を立てて扉が閉まる。部屋の時が一瞬止まった。
「取材許可要請あらず。即ち現状放送不可能。」
時を動かしたのは、嵐のように去っていったランプに対する正論だった。
* * *
「…と、いうわけだから撮影許可取ってきたよ。全く、ランプはそそっかしいというかなんというか…」
「まあまあ、マッチが取ってきてくれたんだからいいじゃない!」
「全く…」
ネズミ荘にて、ランプを追ってきたマッチ…ではなくマッチPがため息をつく。
「えっと…状況がよく掴めないんだけど…」
「はゆたちはそのイベントに出られるってことでいいんだよね?」
「ランププロデューサーが先走ったのをマッチプロデューサーがなんとかしたってことでいいんだよな?」
「へもちゃんがまだ来ていないのが残念ですが…」
「そうですね…こんなイベントがあるのにマチちゃんが来てないのも残念だけど…」
一瞬の静寂。
「な、なんでタミちゃんが!?」
「玄関の鍵が開いていたので、つい…ふふっ」
「エトワリアのネズミ荘もセキュリティ杜撰だなおい!」
「それで話し声も聞こえてしまったのですけれど、またイベントがあるなら是非お手伝いしたいと思いまして…」
それを聞いたランプが目を輝かせる。
「それでしたら、是非よさこい部として出場する側になっていただきたいのですが!」
「え、出てもいいの?」
「もちろんです!今回はクリエメイトの祭典…皆様が主役なのですから!」
「だったら、なるちゃんたちとも相談しないと!後でお返事でも大丈夫?」
「大丈夫ですよ!いいお返事をお待ちしております!」
その言葉を聞いたタミはネズミ荘を出る。ちなみに鍵はしっかりと閉めたようだ。
「そういえば、ハナたちのよさこいってまだ見たことなかったな。」
「そうですね!とっても楽しみです!」
「…邪な目で見るんじゃないぞ?」
「も、もちろんです!」
やいのやいのと騒ぐフルーツタルトを見ながら、マッチはスケジュールについて考えを巡らせていた。
* * *
さて、噂というものはすぐに広まるもので。
「ねぇねぇなるちゃん!」
「こら、優。チャイムくらい押しなさい…。」
「わぁ、優ちゃんに美月さん!こんにちは!どうしたの?」
「さっきね、甘兎庵で抹茶スイーツ食べてたら、ランプちゃんが来て…」
ーーー
『千夜様!クリームあんみつ…じゃなくて果樹園に掛かりし雲のパレードを5つください!』
『あらあら、一人で全部食べるの?』
『いえ!フルーツタルトの皆様と食べようと思いまして!ここだけのお話なのですが、今度イベントが行われるのですよ!クリエメイトの皆様を集めた大々的なイベントで、近いうちに出場者を募集するみたいです!』
『あら、そうなの!…はい、果樹園に掛かりし雲のパレード5つ、お待たせしました。…後でシャロちゃんにも教えてあげないと…』
ーーー
「っていうわけなの!」
「え、えぇっと…」
「ふーん、面白そうじゃない!」
「ヤヤさんもそう思いますか!?私もデス!」
これ聞いちゃってよかったのかな…と密かに悩むなるであった。
「タミお姉ちゃんが帰って来てから相談しない…?」
「それもそうね。」
「もうそろそろ帰ってくるはずなのデスが…」
その時、遠くから走ってくる影。
「なるちゃーん!みんなー!」
「タミお姉ちゃん!」
「「あのね、今度イベントやるみたいなんだけど…あっ…」」
「どうやら決まったみたいね、タミさん。」
「美月さん、優さん!来てたんですね!楽しみにしててくださいね?」
「うん!春香と一緒に見に行くよ!」
「はっ…はははは春香さんと!?」
美月の主目的が変わった瞬間であった。
* * *
「え、お祭り!?それならまた演劇やろうよ!監督するよ!!」
「ココアの監督…振り回されそうで心配だわ…」
一方ランプから情報を得た千夜は、ラビットハウスにいたシャロやココアたちに祭りの情報を伝えていた。
「まったくです。先日もメリーさんたちが大変そうでしたよ…」
「何なら私が出るわよ?怪盗ラパンと大泥棒イナバなんてどう?」
「私も巻き込まれてない!?」
「でもシャロの演技もまた見たいな…。」
「り、リゼせんぴゃい!?や、やります!」
「それなら私も可愛めに演技しないとね!」
声がした方向に注目が集まる。そこには…
「あ、驚かしちゃった?本当に怪盗になれちゃう?」
「ノダさん!そうね…マゼンタとイナバの共演っていうのも面白そうじゃない!なら舞たちも呼んじゃいましょう!」
「おぉー!にぎやかになるねー!」
誰が脚本を書くのかというのが問題になるのは、まだ先のお話。
* * *
「若干の不調…」
第2話にして…
す と っ く が つ き ま し た()
第2話 出場表明と不穏な気配!
「学園生活部は部活だよ!お祭りにだって出ちゃうよ!」
由紀がそう言いながら掲げたのは『クリエメイト記念祭』と書かれたチラシだった。
「あぁ、はなこが昨日言っていたものね。ぼたんや萩生さん、江古田さんに狭山さんと出るって張り切ってたわ。」
「ヒバリは出ないの?」
「き、聞かないでくださいよ…もう…」
「ふふっ…そうね。」
空気がピンク色になる。居心地の悪さが大きくなってきたのか、胡桃がソワソワし始めた。
「…あの。」
それを打ち破ったのは美紀だった。
「実は私、ココアさんから出演を持ちかけられていて…」
「そうなの!?みーくんは将来いい女優さんになるね!」
「志望はしてないです。」
「でもそっかー…それじゃあどうしよっか…」
「あたし達はほら、今年は見ることに専念しようぜ?」
「むー、残念。」
ならばその分、美紀を応援しようと決めた由紀であった。
* * *
「おーいトモカネさん、もうお昼ですよ!」
キサラギがトモカネを揺さぶる。
「全く、いつまで寝てるんだか。」
「昨日はほぼ徹夜だったからな。」
昨日の内に広まってしまった祭りの情報。これ以上の漏えいを防ぐため早急に正式発表することになったのだが、そのチラシをキサラギ達が担当していた。
突然神殿に呼ばれたにも関わらず、チラシはキサラギ主導のもと丁寧に制作された。
「ぐかー…」
「駄目です、全然起きません!」
「はぁ…ま、そのうち起きるでしょ。」
投げやりになってきたナミコ。かれこれ30分も起こそうとしていたのだから当然の反応ではある。
とはいえ、他の3人も眠さはあるのかあくびを噛み殺しながら食事の準備を始めた。
* * *
「かおす先生!進捗どうですかー!」
「あばっ…あみさわさ…じゃなくてランプちゃん!すみません!すみません!」
「いえ、私こそ昨日急にお願いしてしまって…」
コミックエトワリアで連載している執筆陣は、記念祭の出店で売る漫画を執筆していた。
「ふぁおふひゃん、ふぁいほー!」
「私も応援してますよ!」
たまてと小夢がかおすを応援する。…ドーナツを食べながらではあるが。
「あばばばば…お二人に応援されるなんて…ま、まさかこれは夢!?だとしたら早く起きないと締め切りがががが…」
「大丈夫ですよ、ちゃんとかおすさんは起きてます。…でもちゃんと休みを入れないと体が持ちませんよ?ドーナツ追加で焼いたので一休みしませんか?」
「りょ、リョウさんが天使に見えます…」
「お、私も食べるー!」
「きりんはさっき食べたでしょう?あと1つだけですよ?」
「はーい」
「まったく、町子さんは森野さんに甘いなぁ…一個もらうね。…ところで、昨日萌田先生のアシスタントしたいって言ってた2人、まだ来てないね。どうしたんだろう…」
その声にかおすがびくっと震える。
「や、やはり私の漫画が下手すぎて愛想を尽かされてしまったのでしょうか……」
「アシスタントってどなたなんですか?」
「シュガーちゃんにソルトちゃんです…。」
「ふむ…シュガーが遅れるのはまだしもソルトまで来ないのはちょっと気になりますね…ちょっと様子を見てきますね。」
「アタシも行かせてちょうだい!」
扉の向こうから声がした。ランプが開くと、
「現界の至宝の名前が聞こえたから来てみれば…行方不明者がいるって聞こえてね。」
「メリー様!」
「あと、ちょっと気になることもあってね。」
「気になること…ですか?」
「そう。オミも茄子女も同じこと言ってたんだけど、何か神殿の方で夢に関する異常が起きてるみたいなのよ。」
「夢に関する異常…ならハッカに聞いてみるのが手っ取り早いかもしれませんね。」
「そうね…それじゃあ出発よ!」
「ちょっと待って…!」
かけだそうとしたメリーを止める声。
「何よ…ってサナ!?茄子女にユイまで…」
「逸る気持ちは分からなくもないが…先日のようなことがあってはならない。」
「ちゃんと何しに行くか言ってほしいです!」
「…そうね。悪かったわ。でも安心なさい。ちゃんと帰ってくるから!」
「それでも…心配しちゃうから、ね。」
「わ、分かったわよ!ほらランプ、行くわよ!」
「は、はい!」
* * *
「さて…と。このあたりで一休みせぬか?」
「そうですか?もう少し進んでからのほうが…」
「そうだね。シャミ子もまだ行けそうだし。」
「お姉ならいける。」
「ぜぇ……まだ……いけ……ま………ごめ…さい…むり……です………」
「…流石に無理じゃないかしら。ほら、すだち食べなさい?元気が出るわよ!」
「ツンツーンの方が元気でますよ!」
「…!!……むり……で…す…」
必死に首を振るシャミ子。
「お姉の軍勢はお姉に優しい…。」
「あのー、余も疲れたのだがー?」
「……!」
桃の足が止まる。
「何か、来る…!」
「え?何かって何のことだ?余にも教え…むごっ」
「あんたがこの気配の正体ね!?」
疲労のせいでふらふらなリリスに容赦しない謎の影。
「……桃、助けないの?」
「うん。なんか勘違いしてるみたいで面白いし。」
「ご、ごせんぞー……」
「ま、待ってくださいメリー様!その方は敵ではありません!」
「え、どういうことよ!」
メリーの動きが止まる。
「えっと…メリー…さん?」
「きららじゃないの。…ということは、アンタたち…クリエメイト?」
「はい…皆さん同じ世界から来たシャミ子さんです。」
「吉田優子です!」
その場に居たメリー以外の全員がはっとする。そういえばシャミ子の本名はシャミ子ではなかったと…。
「と、ところで…ランプたちはどうしてここへ?」
「はい、実はソルト………とあとついでにシュガー……が約束の時間になっても来なくて…メリー様が夢に関する異常が発生しているというので行ってみることにしたんです。」
「私たちと同じだね…こっちもハッカさんが来なくって…そこでリリスさんが異常があるって言うから行ってみようって話になって。」
「…ハッカが、ですか!?」
「きららちゃんっ!」
突然の叫び声。声がした方向には、
「忍さん、穂乃花さん、苺香さん、椿さん!」
「カレンちゃんとジンジャーさんが、眠っちゃったの…!」
「め、メイド長…も……」
「忍さんもうとうとしちゃってましたし…」
それは違うんじゃないかな…とみんなが首をひねる。
「でもそれが本当なら…」
「かなり現状は危険なのではないか…!?」
きらら達は先を急ぐことにした。
「あっ…まって…ください……まだ走れないです……」
* * *
きらら達が神殿に着いた時、神殿は静まり返っていた。兵士すらも眠りについている。
「これは異常だね。リリスさんにメリーさん…だっけ。どこに根源があるかわかる?」
「さすがの余でも細かいところまでは…」
「この神殿の最上階ね。行くわよ!」
「…リリスさんって残念だよね。」
「ざ、残念じゃないわー!」
役に立たないリリスはスルーしてメリーが先導する。
向かう途中では倒れて眠っている人が何人もいた。
「…き、きららにクリエメイトの…みなさん…にげて…くださいまし…」
最上階の扉の前では、フェンネルが耐えていた。だがそろそろ限界だろう。
「フェンネルさんもにげてください!」
「わたくしは……ある……しーゔ……さまを……」
フェンネルが倒れる。
「フェンネルさん!」
「この向こうにアルシーヴ先生がいる…きっとハッカもそこに……」
ランプが扉を開けた瞬間、メリーとリリスと忍を除いた全員が倒れる。
「な、何よこの力…!」
「余を介して力の増幅が…っ!」
「なんでこんな状態で平気なのよシノブは…って立ったまま寝てる!?」
忍は時々不思議な才能を開花させるが、ここではあまり役には立たなかった。
そして、魔法増幅機として使われたメリーとリリスも力尽き、倒れてしまった。
>>20
楽しみに読ませて頂いてます。
一つ気になったのですが、「」の前にキャラの名前を入れないのは何か理由があるのでしょうか?
ssの感想やそれ以外では見かけていましたが、ssでは久しぶりですね。久々のルナさんのssとても楽しみです。ルナさんのssでもヒバリとりーさんの二人が仲がよさそうでとてもうれしいです。
アニバーサリー作品を投稿されると、結構前から予告されておられましたが、これだけの作品をクロスさせるのは、私では出来る芸当ではないです(あまり多くのきらら作品事情を私は知らないので、尊敬いたします)
はい、寝落ちした上完成遅れました()
まずはコメントからです
>>21
ありがとうございます!
最初に書いたときには、あまりssという文化を知らなかったため、キャラ名「セリフ」というのが馴染みがなく…
キャラ名「セリフ」で書く場合は「台本形式」として投稿しています。
>>22
ありがとうございます!
BBSのSSではおひさしぶりです…!
ヒバりーは好きなカプなので…私のSSでは2周年SSくらいでしか絡みがありませんが、この二人にも色々あったみたいで…
>>23
ありがとうございます!
わちゃわちゃ感を楽しんでいただけたら嬉しいです!
>>24
ありがとうございます!
私も一つ一つの作品に詳しいと言うわけではないので(中には原作を全く知らないものも…)何かミスがないか、といつも戦々恐々としております…
では投稿に入ります!
ちなみに遅れた理由は、決してヒガコに行ってたとかごちうさを見ていたとかきらファン配信を見ていたとか別のコンテンツの生誕祭バーチャルライブに参加していたからとかではありませんよ!()
第3話 もしかしてこれって…夢?
「くー!(ここはどこだ?)」
「くーくー!(わかんない!)」
「くー…(帰れるのかなぁ…)」
クロモンがくーくー騒ぐ中、途方に暮れた黒い影が一つ。
「…さて、と。これはどうしたものかな。」
「やっぱりクロモンと同族なんじゃねぇの?」
「いや、まぁそれも問題ではあるんだけどね。」
「分かってるよ。今度はどこに飛ばされたのかねぇ…」
目が覚めると、クロとセンは見たことのない場所に立っていた。
「さて、どうしようか。きっと帰らないときらら達が心配するだろうし…」
「もー、クロミちゃんたち〜!待ちなさいよ〜!」
「くー…(変な名前つけられる前に名前教えたのが間違いだったわ…)」
「ちょっ…なんでアタイまで巻き込まれてるのさっ!」
「くー…(がんばれー)」
「くー…(負けないでー)」
「くー!(応援だけじゃなくて手伝いなさーい!)」
クロモンとマスコットキャラを追い回す照の姿。
「うん、夢でも見ているんだろう。」
「あー…そうかもな…」
結論は一人と一匹で完全に合致した。
* * *
「…ねぇ、すごみちゃん?」
「はいっす!」
「なんで…人間の姿になってるの?」
「わからないっす!」
「私はこのままでもいいですけど…」
花名が困惑し、元気に返事をするすごみの間でクレアはご満悦そうな声を上げた。
「でも本当にわからないっす。元に戻ろうと思っても戻れなくて…まぁ普段見てる夢ではいつも人間の姿なんすけどね!」
「ゆ、夢じゃないよねこれ!?」
「夢の可能性はある。」
「ひゃ、コルクちゃん!」
近くの茂みからコルクが出てきた。
「コルクちゃん、いきなり抱きつかないでください!」
「む、残念。」
「…コルクさん?」
「わかってる。ごめん。」
「そう言いながらもふもふしないでくださいー!」
ナチュラルにクレアのもふもふ作業に戻るコルク。諦めていないのか遊んでいるだけなのか、表情からは読み取れない。
「それで…夢かもしれないってどういうことっすか?」
「うん。実はすぐそこが砂漠。向こうには海もある。エトワリアにはそんな地形はない。」
商人だけあって地形には詳しいコルク。そのコルクが言うのだから間違いないだろう。
「じゃあ、目が覚める方法をみつけないと帰れないってこと…?」
「おそらく。」
「ほー、じゃあまゆさんたちは迷子になったわけじゃなかったんだね。」
「またあの時みたいに召喚されたのかと思ったわ…」
「ある意味では迷子と言える気もす…る…!?まゆ!環!」
コルクと同じ雰囲気を持つ少女たちは突然現れるのが得意なのだろうか。まゆと環が話しかけてきた。
「これだけの規模で夢を見ているなら、なごみちゃんも近くにいるかもっすね…」
* * *
「すんすん…」
「すんすん…」
「すんすん…」
「え、えぇっと…」
ニナは困惑していた。
なぜなら…
「ニナの髪の匂い落ち着く…」
「本当ですね…」
「はぁ…いい匂い…」
「さ、さすがに三人は…!」
こはる、たまて(?)、ニナに髪の匂いをかがれているニナの姿がそこにあった。
「ねぇ、今度…靴下貸してくれると嬉しいな…。」
「その流れで言うと変な意味にしか聞こえないよ…」
変な意味も何もニナが言っているのはニナが思っている通りの意味ではあるが…
ひとしきりかいだあと、たまて(?)は自分のことについて話していた。
「じゃあ、見た目はたまちゃんだけど、」
「中身は猫さんってこと?」
「じゃあ匂いも猫さんなのかな…?」
「匂いはわかりませんが…私はなごみと言います。」
「なごみちゃんが人になってるってことはいよいよ夢じみてきたね。」
なごみは顔を洗いながら口を開く。
「一応は、エトワリアでも、すっごくがんばれば、変身は、できるのですが、ここに来てから、戻れなく、なってしまって。」
「流石エトワリア…」
「ファンタジーだね…」
「匂いかがせて…?」
約1名変態じみてはいるが、ニナとこはるは慣れてきたようだ。
「あの中に入っていくのは…少々躊躇われますね…」
遠巻きに見ていたセサミは、それでも集団でいたほうが良いか、と近づいていった。
* * *
「ん。なごみちゃんもすごみちゃんもいない。」
「おや、冠ちゃんもかい?私ももずくがどこか行ってしまってね。」
「私がぎゃふんって言ってどうするにゃー!あぎり師匠もいないのにゃああああ!」
冠としずくの視線の先には、猫耳を生やした怪しい人が。
「…おやおやもずく!こんな姿になってしまって…!」
「違うにゃあ!私はタマミっていう立派な名前が…」
「知ってたよ。」
「え?」
「宿にも喫茶店にも行ったろ?」
「あ…」
「私も行った。」
「お客様を忘れるなんて、店員失格にゃああああ!」
明後日の方向になやむタマミ。
「とにかく、なごみちゃんとすごみちゃんを探さないと。」
「もずくもだね。…とはいえ、ここがどこだかすら解らないけどね。」
「…変な猫みたいな着ぐるみは見つけた。」
「それは…微妙な顔だね…。」
緑色の猫のような着ぐるみを持ってきた冠。冠は頭だけを被る。
「むふー。」
ご満悦そうである。
「冠本人がいいならいいんだけどね。」
「あら、冠ちゃん、いいキグルミね?…ところで、クロミちゃんを知らない?迷子みたいなの。」
「おや、マイメロディじゃないか!知り合いかい?」
「ん。友達。私もなごみちゃんとすごみちゃんを探してる。一緒に来る?」
「ありがとう!冠ちゃんは優しいのね!」
冠としずくとマイメロディはそれぞれの探し人を探し始めた。
「あ、待つのにゃああ!」
* * *
「あら、可愛らしいわね…厳座令州(ごんざれす)ってところかしら?」
「えっと…しずくさんのペットのもずくかと思いますけど…」
青葉が控えめに訂正する。
「それで飼い主さんはどっちにいるの?」
「にゃぁ……」
「厳座令州ちゃん、眠いみたいね…」
「だから、もずくですって!」
「そもそも私たちもここが何処かわからないけれど…」
「そうですね…しずくさんが記念祭にミニゲームで参加するって張り切ってたから急いで作業に戻らないとなのに…」
「あら、猫ちゃんのゲーム?」
「いえ、パズルゲームです…エトワリアが舞台の…」
「あ、青葉さんも、記念祭にゲーム作るんですか?私もなんです!」
知ってる顔を見つけた、とほっとした様子のたまきが走ってくる。
同じようなことをしていると聞いて仲間意識も湧いたのだろう。
「たまきちゃん!たまきちゃんもゲームを短納期で?」
「はい…テルさんが参加しよう!って言い出しまして…」
「お互い大変だね…」
「ゲーム作りは楽しいんですけど…」
「あ、わかる!」
一人話についていけない西山はもずくを撫でながら歩きだした。
「あ、一人で移動しないでください!」
「おいていかないでください!」
青葉とたまきが走って追いかけていく。
「このまま寝ちゃって明日になっちゃうかなって思ったけど…デイリーたまちゃんゲット!」
裕美音はその様子を物陰から覗いていた。
本日はここまでです。
4話…間に合うでしょうか…(←無計画の塊)
ニナが二人出てきて一瞬あれ?と思いましたが、おちフルのニナとこはるびよりのニナですね。ところでニナ先生はどこですか?
寝坊常習犯です。
まずはコメントから。
>>33
ありがとうございます!
ニナちゃんとニナちゃんは匂い絡みで絡んでほしかったので…!
先生も後ほど出てきます。
>>34
ありがとうございます!
このあたりも色々と人間関係でどろどろしていたみたいですね…
では第4話を投稿させて頂きます。
第4話 ここでしかできないことと純粋な気持ち
「……あー、なぁ美紀、また別の世界に飛ばされたみたいだが…記憶はあるし、あのときの本とは別物なのか?」
「そうだろうね…あ、あれは…!」
「どうした!?」
ソーニャが現状を纏めていると、美紀が何かを見つけて走り出す。
「おい、待て…!」
「けい…圭だよね…?」
「…あ、美紀じゃん!こうやって会うのも久しぶりだね?」
「やっぱり圭だ…!」
美紀はその場に崩れ落ちる。
「もう、大袈裟なんだから…。」
「会ったら話したいこといっぱいあったはずなのに…」
「ほら、行こう?」
「うん…!」
圭の手を取ろうとする美紀。しかし、
「おい、美紀!お前…」
それを止める声があった。
「ソーニャ?」
「お前、誰と話しているんだ…?」
「え…」
「あら、直樹さん…?」
「…!」
「あ、めぐねぇ!」
「もう、めぐねぇじゃなくて…」
「ごめん、圭…」
「美紀…?あっ…」
美紀が手を下げる。
「私は、圭とは一緒に行けない。」
「……そっか。やっとまた美紀と一緒にいられると思ったんだけどな。」
「生きていればそれでいいか、聞いてきたのはそっちじゃん。」
「あっはは…これは一本取られちゃったね。わかった。それじゃあ…さよなら、美紀。」
笑顔で手を振る美紀。目元が光を反射する。
「うん。…さようなら、圭。」
美紀はそう言って後ろを向く。
「さて、ここから脱出する方法を考えないと。」
「何か…あったんじゃないのか?」
「もう、大丈夫だから。」
「…そう、か。」
美紀とソーニャはそのまままっすぐ歩き出した。
美紀たちの後ろには、もう人影すらも残ってはいなかった。
* * *
「じゃああれか。夢か。」
「夢…ドリーム…」
「将来なりたいものだねー」
「そっちの夢になっちゃったかー」
相変わらずふわふわとした会話をしてるのは、ゆずこ、唯、縁である。緑ではない。
「あれ?ゆずこちゃんに唯ちゃん?あと…縁ちゃん!良かった…知ってる人に会えた…」
「あ、夏帆ちゃん!そっか、夏帆ちゃんもまよってたかー」
「やっぱりここ、いつものエトワリアじゃないよね?」
「だよねー、夢の世界じゃないかって話になって。」
「夢かどうかを確かめる方法…つねってみる、とか?」
人差し指を立てて夏帆が提案する。
「痛みかー…唯ちゃん、叩いてみてー?」
「叩いてー?」
「ドMかっ!前にもやったなこれ!」
「そういえばうちの喫茶店ドSは居るけどドMはいないんだよね。」
「おぉ、これはチャンスですぜ唯ちゃん」
「唯ちゃんドM担当になるの?」
「ならんわっ!」
* * *
カーン、と音があたりに鳴り響く。
「ふぅ…るんちゃん、気づいてくれるかな…」
専用バットの強力な一撃をくらった木は、揺れながらも変わらず立っていた。
かさ…と人の歩く音がトオルの背後から聞こえてくる。そして…
「トオルンみーっけ!」
前に思いっきり押し出され、少しよろめく。
「なんだ…」
「なんだって…どうせユタカさんですよー」
期待通りの相手ではなく、少ししょぼくれるトオル。
それでも、一人よりはマシ、と内心ほっとするトオルであった。
「それで…これからどうするんですかい?」
「るんちゃんを探す。」
「えっ…探すって言っても右も左も…」
「るんちゃんを探す。」
「あっはい……」
結局のところ、るんを探しに行くことは辞めないトオルであった。
* * *
「じゃ、じゃあ、ルンも目が覚めたらここに居たってこと?」
「そうだよー?」
「すごくほのぼのとしてますね!?もっと抱きましょうよ、危機感を!」
「危機感だけ持っていても仕方ないでしょー。それより、お腹が空きました!」
「う、うちはお腹空いてへんで?」
ゆんが言った瞬間にぐー、と音が鳴り響く。
宮子が肩に手をぽん、と優しくのせた。
「お腹が減っては戦はできぬ…そう、我慢は身体に毒なのです!」
「ちゃうねん…体重計が…その…な?」
「無理に食事抜くと、逆に太くなりますよ…?」
「でもお腹空いたら食べちゃうよねー?その分運動しよう!100キロマラソンだー!」
「流石に倒れちゃうよ!?」
「え…うち…倒れるんか…?」
「…って違いますよ!」
「アズサ!?」
アリスが梓の声に驚く。梓の隣にいたからかもしれないが、反対側の隣にいたるんは何事もなかったように雲の数を数えていた。
「あ、すみません…とにかく、いま大事なのはどうやって里に帰るかです!」
「アズサはしっかり者だね!」
* * *
「さて…と。…あら?」
アモルの視線の先には、
「ゆうちゃん…ゆうちゃん…ぐすっ…」
優と離れて寂しがってる春香がいた。
「あらあら、こんなに泣いちゃって…」
「あ、アモルちゃん…だって優ちゃんが…」
「はいはい、よしよし…」
「ぐす…ようこぉ……」
「…あらあら?」
アモルの視線の先には、陽子と離れて寂しがってる綾がいた。
「ほらほら、なでなで…」
「うぅっ…こはね…」
「…え、えぇっと…」
寂しがってる宇希を見て、
「そうね…探しに行きましょう?」
アモルは三人を引き連れて歩いて行きました。
一方、その歩いて行った逆の方向では、
「元の場所に戻れないと困るんだよな…」
「もー、そんなに気にしなくてもそのうち戻るって!ね、陽子ちゃん!」
「えっ…あっ、そうだな!」
優に振られて若干困った様子の陽子。
「そうだよオルバさん!ごーふぉーうぃん!ほーるいんわん!だよ!」
「なんか違わね!?」
オルバへの励ましにチアをしようとするも、半分はツッコミで出来てる陽子に止められてしまった。
内心、こいつらと行動を共にして大丈夫か?と不安になるオルバであった。
本日はここまでです。
ありがとうございました!
クリスマス千夜ちゃん楽しみです!
一緒にいたい人とばらばらになっている人たちがたくさんいますね。彼女たちが合流できるのかどうか気になります。それからヒバリとりーさんにあったという色々が気になりますのでいつか投稿してほしいです。
本日は更新をお休みします。
コメントも明日行います。
申し訳ございません…。
いつもギリギリを生きてます、ルナ・ソレイユです。
まずはコメントから。
>>43
ありがとうございます!
確かに色々ありましてね…pixivにはいつか上げようかと思っております。
>>44
ありがとうございます!
第二部、クリスマスの他にまだ年末年始も残っておりますからね…
「臣!何一人で行こうとしてるのよ!」
「…紺。」
「そうだよ!私達は仲間なんだよ!」
「一緒に行っちゃ…だめかな…」
引き止められる臣。今まで一人で過ごしてきた臣にとっては、新鮮な感覚だった。
「でも、みんなを巻き込めないわ。そもそもこれは夢の話だから…」
「あー、もう。じれったいわね…ほら、行くわよ!大丈夫、なんたってこのミス・プラムがいるんだから!」
「…そうね、ありがとう。」
口調は素っ気なかったが、口元には微かに笑みが広がっていた。
「それじゃあ行くわよ!こっちね!」
「…逆、なんだけれど。」
* * *
「佐久ったらね、酷いのよ!せっかく占ってあげようとお茶用意してたのに見向きもしないの!」
「コウちゃんもそういうところあるのよ!机の上に旅行券2枚置いてね?旅行行きたいねって話振ってみたの!そしたらなんて言ったと思う?『そっかー、ところで今日の晩ごはん何ー?』よ!?」
「カンナもそうなの!せっかくおすすめの本を図書館から持っていってもふーんしか言わなくって!」
「ココアなんか、私を置いて下宿しながら学校通ってるのに、たまにお手紙送るの忘れるの!」
モカの発言に全員が首をひねる。果たしてそれはこの流れなのか…?と。
一歩引いたところで見ていた勇魚は苦笑いをしながら、夢路に思いを馳せていた。何故夢路は召喚されないのだろうか…と。…そのせいだろうか、後ろを通過した紫の影には気づかなかったようだった。
* * *
「えっと…きんぱつまぞくって…」
「そのまんまの意味デス!きんぱつのまぞくデス!」
「ならこっちは、怪人ブランケットで対抗だよ!」
「せんでいいわ。」
「望むところ……。〈必殺エターナル…」
「あぁーっ!タンマタンマ!流石にそれはアウトだよっ!」
専用ぶきを掲げるカレンを見て怯えるなでしこ。
「流石に冗談デス。まだ…自分の力だけで出したこともないカラ…だから、心配しなくても大丈夫デス!」
少し無理がある笑顔に見えた。
「あら?そこにいるのは…」
「たまにやってるキャンプ番組で見たことあるぞ!」
彷徨っていたのであろう志温と大会が合流した。
「そんなに有名なのか、あの番組は…」
「有名だよー?私が広めたからね!」
「うぉっ、斎藤、いつの間に…」
恵那がいつの間にかリンの後ろに立っていた。
「私も恵那ちゃんに教えてもらったの!」
「私はそれを大家さんから聞いたぞ!」
「け、結構広まってるな、おい…」
収集がつかないレベルで広まっている事を知ったリンは、肩を落とすのだった。
「おや…?」
「どうした、カレン?」
「イエ、大丈夫デス。」
近くを通過した黄色い影には、カレンだけが気がついたのであった。
* * *
「これが…根源ってこと…?」
「そうだな。まったく、また戦うことになるとは…」
「して、おぬしらは戦ったことがあるのか?」
「そうね…おかげで大変な目にあったわ…」
臣たちなつみやメンバーとメリー、エンギ、リリスは夢喰いキノコと言われる魔物を前にしていた。
「またこやつ…か。」
そのとき、後ろから声が響いた。それは、心強い声。
「おぬしも…夢魔、なのか?」
「そうだ。名はリシュカと申す…それよりも、一つの大陸を包み込むほどの魔法…恐ろしいのう…」
「あとでちゃんと、問い詰めないと…ねっ!」
「紺たちは下がってて!」
臣に言われ、攻撃が届かない位置まで下がる千矢たち。しかしいつでも援護できるよう、とっておきな技をいつでも放てるようにしている。
「さて、ゆくぞおまえたち!」
「アンタに音頭とられるの納得行かないわ!」
「夢喰いと意見が合うなんてな。」
リリスには当たりが強いパーティであった。
「そんなこと言ってないで!来るわよ!」
臣が声をかけると全員が魔物の方向を向く。
「臣ならよいのか…?」
若干1名納得がいっていないようだが。
メリーとエンギが息のあった攻撃で魔物を翻弄する。そこに計算づくで薬を撒く臣。リシュカは大きな一撃を放てるよう、力を蓄えている。パーティメンバー全員が力を合わせた完璧な布陣だった。
若干1名何もしていないが。
3人の猛攻で魔物がフラフラし始める。
「エンギ、メリー、離れて!千矢、小梅、今よ!」
後ろに控えていた千矢たちに声をかけつつ、自分も避ける臣。
「ようやくこのミス・プラムの出番ね!〈ショコラティーヌ・プリュネ〉!」
「いっくよー!〈野生のチョコレイト〉!」
行動も遅くなり、まさに千載一遇のチャンス。
「では行かせてもらおう…」
鎚に月の力が集まる…!
「〈侵食する悪夢〉っ!!」
鎚に集まった力を反転させ、強力な陽の一撃を放つ。
その瞬間、辺りは光に包まれた。
盛り上げるところで盛り上がりませんが今回はここまでです。
ありがとうございました。
>>49
勇魚は「忘却の夢魔」でもこんな時に夢路だったらどうするのかって言ってましね。
それと明後日メリー最終巻の発売日ですね。
かやのんキャラ大集合!!なるほどニナ先生はこの枠での登場ですか。それから、pixivだけではなくてこちらにも投稿してほしいです。
もう朝投稿ってことでいいですかね…()
なモードになりかけているルナ・ソレイユです。
まずはコメントから。
>>53
ありがとうございます!
勇魚は夢路のことを信頼していますし、何らかの形で夢路も出したかったので…主人公ですし()
>>54
これでもかやのんのキャラを網羅できていないのが恐ろしいですね…
こちらに投稿するかどうかは…BBS民のみなさん次第という感じで
「た、体調不良!?」
「ま、まぁまぁ…」
きらら達が目を覚ますと、魔法にかかる直前までと同じく目の前に扉があった。
そういえばアルシーヴとハッカに異常について聞こうと思っていたのだったと思い出し、みんなで中に入っていく。
そこで聞いた真相は、
「体調が優れなかったため、一晩の様子見をすべきと判断。翌日、全く行動できず。先日、魔物に傷を付けられ、魔物の能力と化学反応の発生。重なり合った不測の事態。申し訳無い。」
「じゃあ、ずっと余たちはハッカの夢に取り込まれていた、という訳か?」
「そういうことになる。私の監督不行届だ。すまない…」
メリーはそこまで聞くと、うんうんと頷き、
「じゃあ、とくに悪いやつがまだどこかにいるってわけじゃないのね?」
「それは…まぁそうだが……」
「だったら、問題無しね!早く風邪治しなさいよ?」
「風邪に非ず。…でも、感謝。」
メリーが去っていく。きららたちは顔を見合わせ、微笑んだ。
* * *
「あー、もうっ!時間がないっ!」
「るっきー、キャラ崩壊してる。」
「しょうがないでしょ、つーちゃん…」
「……お姉ちゃん…。」
1日しっかり寝て健康体にはなったが、それを上回る勢いで締め切りと戦う琉姫。ちなみに翼は、エトワリアに来てから、急に入る仕事が増えたためいくつか短編をストックしていた。なお、それでも数日しっかりと修正は入れていたようだ。
「おねーちゃんたち、こんにちはー!」
「失礼するわね…?」
琉姫と翼の部屋のドアをノックして入ってきたのは麻冬と美雨。
「はい、たくはいだよー!」
スティーレスタッフが直接持ってきてくれる宅配サービス。記念祭に向けての改装でしばらくお店が使えなくなるため考案された。
しかし、これが意外と人気に。
料理だけ食べたい人も属性接客を楽しみたい人も両方対応している。
ちなみに今回はもちろん、
「うん。届けてくれてありがとう。それじゃあ。」
料理にしか興味がなかった。
* * *
「演劇をやるというから待っていたのに…もうぎりぎりとはどういうことだ!?」
響が叫ぶ。まぁ無理もない。なにせきららの裁判が行われたのは昨日。期間的には大ピンチだ。
「で、でもみなさんが力を合わせれば、きっと…」
そう言いながらガッツポーズをしようとした牡丹の腕から異音が鳴り響く。
「ぼたんちゃん!大丈夫!?」
「えぇ、少し…骨にヒビが入っただけですので…」
「まったく…こんなんで大丈夫だろうか…なあ、れ…」
響が蓮に相づちを求めると蓮は気持ち良さそうに眠っていた。
「寝るなー!」
「ぐー…」
と、そこに2つの影が現れる。
「やあ。順調…ではなさそうだね…。」
「あらあら、たのしそうね?」
「沙英さん!ヒロさん!」
「なぜ練習を見に来たんだ?」
「ここの脚本の提供をさせてもらったんだよ。」
以前書いた小説を台本形式に修正し提供された。
なお、途中どうしても凝りたくなったところはある程度静観された後ヒロに止められた。
「ふむ…絵もなかなかだと思ってはいたが、小説も書けるなんてな…」
「尊敬いたします…!それに比べて私は…」
「それほどじゃないよ。ところで…演者は5人って聞いてたけど…」
「椿ちゃんは参加できなくなっちゃって…」
「ありゃりゃ…5人用台本で作っちゃったからなぁ…」
「あ!じゃあヒロさん出ようよ!」
「え…えぇっ…!?」
「ヒロ…頼めない…かな…?」
「もう、しょうがないわね…」
後にヒロはいい運動になることに気づいたものの、それをなかったことにする量を食べてしまったためダイエット効果はほぼゼロだった。
* * *
「みなさん…本当にすみません…」
うみこが頭を下げる。
「気にせんといてくださいな…しずくさんが無茶振りするのはいつも通りやし…」
「うみこさんも気にしなくて大丈夫だよ!」
「なれてきたしね。」
「紅葉…それって慣れちゃいけないやつじゃ…」
「あれ…そういえば…青葉ちゃんは…?」
ひふみがきょろきょろしながら青葉を探す。
「あぁ、青葉にはおつかい頼んだからね。」
コウが作業をしながら答える。
「えー…コミックエトワリア頼めばよかった…」
「こら、はじめ…」
「ごめんごめん…」
イーグルジャンプでそんな会話がなされている中、青葉はSNS部の部室に来ていた。
「お、おじゃましまー…」
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…シナリオよ…降ってこい…」
「メガネにシナリオ降ってきても仕方ないでしょ…やっぱりIri§先生じゃなきゃ…!」
「どうしましょうか…どうしましょうか…」
部室内は修羅場っていた。
「し、失礼しまし…」
「あ、青葉さん、まって!」
さすがに帰りかけた青葉をたまきが慌てて追いかける。
「えっと…修羅場ってるね…」
「お見苦しいところを…部長さん!青葉さんが来ましたよ!」
「どうしま……あ、これはすみません…それでは、情報交換といきましょうか。事前に言われていたものも用意してありますよ。」
一時間ほど対談しSNS部を出た青葉は大量のエナジードリンクを持っていた。
「SNS部はどうだった?」
「わ、びっくりした…」
「テルさんは神出鬼没なのだ!…それで、SNS部、元気にやってたかな?」
「はい、みなさん楽しそうでしたよ。…ちょっときつそうでしたが…」
「そっか。…まだ、もうちょっとだけ魔法は続きそうかな。それじゃねー!」
「あ…はい…えっと、誰…だったんだろう……」
困惑する青葉。
「やっば、深夜まで配信してたら遅刻したっ!」
「待ってください、ののさぁん!」
キョトンとする青葉の後ろを、二人の少女が走り去っていった。
本日投稿予定の最終話ですが、本日午後には投稿させて頂きます。遅れてしまい申し訳ありません。
スターダッシュしたのにクリスマス千夜ちゃんが出なくてモチベーションが下がっていたとかそういうわけではありません。そういうわけではありません。大事なことなので2回言いました。
色々あって遅くなりましたが、投稿させて頂きます。
まずはコメントから。
>>62
ありがとうございます!
楽しんでもらえたら嬉しいです…
今日はガチャが外れたりリアルで色々あったりしましたがそのせいでモチベが下がったりとかそういうことはありません。ありません。()
第7話 お祭り本番!クリエメイト記念祭!
「全く、ランプはこんなに機材を持ってなにをするつもりだったのでしょう…」
セサミが大荷物を持って道を歩いている。
「おっと、手伝うぜ?」
「ポルカ、がんばれ…。」
「何言ってるんだ?カンナも手伝うんだろ?」
「……。」
「お手数をおかけします。…ランプが本日急用で来られないとのことでして、番組スケジュールに穴を開けるわけにもいかず……」
「あんだけ頑張って用意してたのに来ないなんてな…」
「まぁ、何かあったんだろ。」
「いや、何かあっちゃまずいだろ…」
「あら?」
「みなさんおそろいですねー」
「荷物持ちなら手伝いますよ!」
「私も手伝いますが…こんな大荷物、九条さんでも持ってきませんでしたよ?一体何が…」
先生たちが口々に言う。荷物の中には現実世界では見慣れないものもいくつか入っている。
「それはテレビの放送器具だよ!」
「以前喫茶店で取材を受けたことがありましたの。」
通りがかった葉子と双葉がいう。
「お、テレビの取材?おはモニ!」
「ちょ、ちょっとコトネ!恥ずかしいよ…」
「別にいいじゃなーい!」
「よ、よくなーい!」
手伝ってもらう前より格段に遅くなってはいるが、悪い気持ちはしないセサミだった。
* * *
「イノ先輩!こっちですよ!」
「ご、ごめんなさい…二人とも!」
「大丈夫ですよ。どこ見て回ります?」
みらたちが色々なブースを見て回っていると、
「お、みらとあおはっけーん!」
「始めまして、イノさん、ですよね?私はメグで…」
「マヤだよ!」
「メグさんにマヤさん…よろしくお願いします!」
メグとマヤが自己紹介をする。
「二人は目的地あるの?」
「うん!友達がやってる店なんだー」
「ラビットハウスっていうのー」
「ココアちゃんたちがやってるところだ!」
「ココアが言ってた妹たちって、この二人も…」
「含まれているんじゃないでしょうか…」
数分歩いてラビットハウスブースにやってきた5人。そこでは…
「スティーレさんも今日はライバルですね。負けないですよ。」
「ボクの可愛さに後で泣いても知らないからね?」
お互いのメニュー表に書いてあるのはティラミスパフェ。
なるほど…と苦笑いする5人だった。
* * *
「これはイラストやデザインの本…見てもいいですか?」
「ど、どうぞ!」
ほたるがゆの達の前にある本を一冊取る。
「…きれい。」
そのつぶやきで、3人全員の力が抜ける。
「今年は、3人で作ったの?」
「あぁ、はい!ゆの先輩がメインで描いて、私が編集、なずなが製本したんです。」
「あんまり上手じゃないかもしれませんけど……」
「ううん、とてもいいと思う。一つ買ってもいいですか?」
「は、はい!」
「…ゆのじゃん。」
「あ、暗黒冬将軍さん!」
暗黒冬将軍が本を一枚手に取る。
「これが今回描いた絵?…カラフル過ぎて目が痛いわ…」
「うぅ…」
「ただ、み、みんなは好きそうよね。買ってあげる…仕方なくよ!」
「これがツンデレ…」
「違うわよ!」
「あら、海外をイメージしたイラスト?苺香が喜びそうね!頂いていいかしら?」
「……イメージは海外じゃないです…。」
天然ドSを発揮するあたりは姉妹だった。
* * *
ステージの上には砂が敷かれていた。その上にあかりがフィールドを作っていく。
「エキシビションとはいえ、試合は試合。」
「私たちは、負けないよ。」
「この前、ローズさん主催の大会では私達が勝った。」
「今度も負けないよ?」
「フィールドできました!お二人とも、これで大丈夫ですか?」
「そうね…うん、大丈夫じゃないかしら。」
「お、エミリのお墨付きなんてやるじゃん!」
「ありがとうございます!」
はるかな、なるあやペアがバチバチと火花を散らしている横で、
「ナイスボール!」
「まだまだっ!」
「ふんっ!ふんっ!…今日は打つんだから…」
詠深と珠姫、ローズは本番に向けて調整をしていた。
「はやくみんなこっち来ないかなー…そうしたらローズちゃんともちゃんと試合ができるのに…」
「きららちゃんも頑張ってくれてるんだからさ。」
「でも…」
「本来5人で踊るチームなのに1人足りなくて振り付け全部修正してるところもあるみたいだし…」
「それは…何かの陰謀を感じるよ…」
さて、スポーツには応援がつきもの。クリエメイトで応援といえば、
「私達だよね!」
「急にどうしました、こはね…」
「全く、びっくりするじゃない…」
「私は居もしない天の声に反応したのかと思っちゃった…」
「異世界のスポーツも楽しみですね…」
兎和がスケッチブックを構える。
「おーい…ブレないな…」
呆れ気味の宇希であった。
* * *
「1年振りの対バン!私達の演奏、どうだった?」
「今年も呼んでもらえて、嬉しかったです!」
「つ、次は放課後ティータイムです!」
ファル、エア、ロールが頭を下げる。
続いて舞台袖から上がってきたのは、唯たち。
「ありがとう、3人とも!放課後ティータイムです!えーっと…何話すか忘れちゃった…」
「まずはバンドメンバーの紹介だろ!」
「律、マイクマイク!今の声全部響いてる!」
「琴吹紬でーす!」
「先輩!?」
このふわふわなMCも放課後ティータイムの持ち味。もっとも、本人たちは意識していないが…
それを憂は笑顔で見ていた。そのすぐ横で…
「ねぇ、気づいたんだけど、いくらデートスポット回っても伊織が来る気がしないから意味ない気がするけど…」
「お、ついにデートに…」
「違うわよ!誘う相手も今、いないし…」
「何か悪意を感じるよね……」
「悩みがあるときはお姉ちゃんたちのライブを見ましょう!」
憂が話しかけるも、
「うっ…」
「だめだ!伊織さん成分が足りぬ!」
「えっ…えっ……!?」
憂はわたわたすることしかできなかった。
* * *
「おー、スミスミ会長!」
「その呼び方をするな!」
「一緒に回りませんか?」
楓、ゆずは澄を誘っていた。
「良いのか…?ありがとうなのじゃ…美月さんはもう優たちとの予定が入ってしまっていての…」
「他にも人が居るんだけどいいかな?」
「かまわぬが…って同じ顔がたくさん!?」
「「「「どうもー、あぎりと申しますー。」」」」
「これは…やばいのじゃ…」
「大成功!」
楓とあぎりがハイタッチする。
「あぎりさんはね、ニンジャなんだよ!あ、私はやすな!」
「ニンジャの一言で片付けてしまっても良いものか…」
超能力にしか見えない技に戦慄する澄。そこに…
「やっと知ってる方がいらっしゃいました…!」
「あ!リュウグウランドのオトヒメさんにウミさん!久しぶり!」
やすなが手を上げて挨拶する。
「リュウグウランドってコトネたちが言ってたな…」
「実在したのか…」
「コトネさんのお友達ですか?オトヒメと申します、よろしくお願いします。今日は記念祭ということで地上でも呼吸できるアイテムをつけてきました。あと数時間は余裕です。」
「それじゃあ一緒にまわらない?」
「はい、ぜひ!ウミもいいわよね?」
「もちろん!」
あっという間に大所帯になったのであった。
* * *
「さて、次は!」
「フルーツタルトの登場…」
「そんなMCぬるいわ!」
「ぬるいわー」
右大臣、左大臣の上に雷が落ちる。そして現れたのは、はるみが二人…ではなく、はるみとヒナ首領だ。
「これより我が取り仕切らせてもらう!」
「続いてはフルーツタルトの…カレーの歌ってどゆこと?」
「ほう…楽しみだ…。」
客席で一人うなずいている警ら隊長はいるが、基本的にはみなポカーンとしていた。
「あ、カレーってな、黍団子入れると美味しいらしいでー?」
「まじか犬子!」
「うそやでー」
客席の声が響き、少し会場の空気が弛緩した。
* * *
「ふぅ…」
ロッテは持っていた荷物を床に下ろした。
楽しいことほど終わるのも早い。片付けをしていたロッテはふとステージを見た。
エキシビションとはいえ、3回もの白熱としたバレーボールの試合。その審判をこなしたのだから疲れて当然である。
だが、海賊の矜持が物を中途半端に残しておくのを許さなかった為、こうして黙々と片付けをしていた。
そこに影が掛かる。
「あれ、あなたは審判をしていた…」
「ロッテよ。どうしたの?」
「いえ、その…」
「佳が片付け魔人になるって。」
「…魔神は違う。」
「なので手伝いをしたいなって…」
千穂がロッテに言う。
「私も手伝うっ!いつもうちの街に来てくれて色々見せてくれるから!」
「私も手伝う。」
少し離れた町に住む少女達もやってきた。
「日本人のボランティア精神をイサミも見習ってよー!」
「いやよ、面倒だし…」
「私も帰っていいかな…」
「いや、もうちょいちゃんと片付けするで、ナギ?」
「ユタカは…帰ったのね…」
片付けの手はどんどん増えていった。
祭りは、もう少しだけ続きそうである。
* * *
「やっぱり、見覚えのあるマイクだと思ったんだ。」
「ギギギ……」
歌夜はマイクに向かって話しかける。
「前回見たときから、筋はいいって思ってたんだよね。」
「ギ、グ……」
「せっかく再会できたわけだし…プロデュースさせてくれないかな。」
まるで、なにものかに勝ちたい、というような強い意志を持った目。
マイクの主…アイビスは一度強く発光した。
「そうかそうか、じゃあ、これからよろしく。」
歌夜はマイクを手にして立ち上がった。
「同族がいた気がしたのだけれど……」
気配を追ってきた一人の漫画家は、きょろきょろと周りを見回していた…。
* * *
「ねぇ、あんたたちって何者…?」
うつつが野営準備中のきららとランプに聞く。
「だから、さっきも言っただろ?こっちがランプで…」
「変な生き物、うるさい。」
「ひどい!」
マッチがガーン、といった顔をする。
「聞きたいのは職業とか…」
きららは以前チマメ隊と話したときのことを思い出す。
「私は…無職だそうです!」
「……こんな陽キャでも無職なら陰キャなんか就職とかありえないし…お先真っ暗…よし、死のう…。」
「よしじゃないですよ…!」
* * *
「アンタはグズなんだから、ちゃんとやりなさいよ?」
「は、はいぃ…お姉様……」
リコリスとの通信を終えたヒナゲシに、声がかかる。
「ヒナゲシ。準備はできたか?」
「は、はい!」
「なら、今すぐ出発してほしい。」
「は、はい!」
ヒナゲシは走り去っていった。
「…サンストーン。」
「こちらに。」
「準備ができた。そろそろ始めよう…」
というわけで終了です。
きらファン全キャラ登場も多分達成しました。
pixivにあげた1年目のきらら展記念のものと合わせると3回目です、全キャラss…
本編はこれにて終了ですが、ごちうさ、おちフル、ゆるキャンをメインとした後日談をもう一話書きたいと思います。よろしくお願いします。
そのときにアンケートも実施予定です。こちらもよろしくお願いします。
全キャラ登場ssお疲れ様でした。直近のイベントの話を使っているところがよかったです。このbbsでルナさんのssがまた見たいので以前のように定期的に投稿もしてほしいです。
お待たせいたしました!
後日談を投稿させていただきます!
…が、その前に
きらファンまとめやるデース!速報の方でまとめていただきました!ありがとうございます!
http://kirarafan.com/archives/25624382.html
続いてコメントの方失礼します。
>>78
ありがとうございます!
たまたま事前に決めていたストーリーにぴったりのイベントだったのでラッキーでした!
>>79
ありがとうございます!
1年間で本当に色々なキャラやイベントが追加されて勢いがすごいですよね…!
>>80
ありがとうございます!
楽しんでいただけたなら幸いです!
それでは投稿させていただきます。
後日談 これまでと、これからと
「…ランプが買ってきてくれたあんみつが美味しかったから甘兎庵に来てみたわけだが…」
「個性的な…メニュー名だよね…」
「どれがどれなのか分かりません…」
フルーツタルトのメンバーは、甘兎庵の席で頭を捻っていた。
「たい焼きパフェいいなー!…でも高いなぁ…うーん…やっぱりこのおまんじゅうかな…」
一人を除いて。
「はゆ…お前すごいな…」
「え?何が?」
はゆは全く自覚がないようだった。
「千夜ー?お客さん困ってるわよ?」
「あらあら…はい、指南書をどうぞ?」
「指南書なんてあるの!?」
3人が目を丸くする。なら最初に言って…と思っているのだろう。
「千夜ちゃーん!来たよー!」
「おじゃまします。」
「お、フルーツタルトの4人じゃないか。」
入ってきたのはラビットハウスの3人。
「あ、リゼさん!」
「この前はありがとう!」
「助かったよ!」
「ありがとな!」
口々にお礼を言われるリゼ。
「リゼちゃん、なにかしたの?」
「いや、ちょっと体作りを手伝っただけだ。」
てくてくうさぎコースを受けたフルーツタルトたち。少しはレベルアップしていたはずだ。
「あ、私は黄金の鯱スペシャルねー!」
「わかったわ。薗部さーん!」
「承りました。少々お待ちくださいませ。」
「薗部さん、甘兎庵でバイトしていたんですか!」
「えぇ。たまには和菓子を作ってみるのも良いかと思いまして。」
篠はそう言って厨房に戻る。
「そういえば、なでしこちゃんたちも来るって言ってたけど…」
「あら、まだ来ていないわよ?」
まさにその時、出入り口が開いて、
「おまたせ!リンちゃんと合流してたら遅くなっちゃって!」
「途中でバイクが故障してな…すまん」
「大丈夫だよ!」
「へぇ、バイク乗れるんだな!」
「リンちゃんすごいでしょー!」
「お前が胸を張るな」
「お出かけが趣味なんですか?」
イノが質問する。
「ううん、キャンプだよ!」
「キャンプかぁ…自然の匂いもいいよねぇ…。」
「そうだ!今度そういう企画やらない?」
はゆが手を叩く。
「確かキャンプ番組やってたよな?出演させてもらえないか?」
やっぱり広まってる…と肩を落とすリン。
「まぁ、考えておくよ。それより…」
ぐー、とお腹のなる音。
「えへへ…お腹空いちゃって。私にもメニュー貸して!」
…ここはエトワリア。本来出会うはずのなかった者たちが一同に集まるこの場所は、日常こそが祭りなのかもしれない。
この作品はこれにて終了です。
よろしければアンケートにお答えください!
https://docs.google.com/forms/d/1uc4fIteJH0e-HifMyFrRvzhVhX1JuS6NHBFhTmAqzj0/edit
アンケート後パスワードが表示されるので、こちらに入力するとおまけが読めます!
https://privatter.net/p/6808838
それでは改めまして、お読みいただきありがとうございました!
確かに、本来出会うはずのないキャラたちが出会うことができるエトワリアは素晴らしい場所だと思います。
>>85
すっかり忘れておりましたが、アンケートは締め切らせていただきました。近いうちにpixivに投稿させていただきます。
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